兆候

10日ほど前に、約1年ぶりに電話をくれた友人がいました。御年65歳、悠々自適の一人暮らしです。その友人から、昨日また「お久しぶり・・」と電話が!!最初は冗談を言っているのかと思いましたが、やけに真面目な口ぶりです。10日前に電話で話したでしょ、という私に、そうだったっけ??という返事。ひょっとしてこれは何かの兆候でしょうか。心配になり、翌日、私からまた電話。昨日の要件覚えてる?との問いに「覚えています!」との返事。ほっとしました。

この仕事を始めた頃、20歳くらい年上の知人の様子がどんどん変わっていった事がありました。ある日、知人の自宅で二人で話していた時、突然、壁に向かって「今、黒田さんが来て話しをしているの」と語り始めます。ご主人が亡くなって3年くらいだったでしょうか。その前にも自転車がなくなったとか、帰り道がわからなくなってお巡りさんに迷惑をかけたなど、本人から聞いていましたが、至って普通なのでそれほどの緊急性も感じませんでした。今、思えばその頃から何かの症状が出ていたのでしょう。しかし今回ばかりは明らかに様子がおかしかったので、お身内の方にご連絡しました。

その知人は元気だった頃に遺言書を作成していました。当時はまだ任意後見制度もなかったため、自分の後見人になる人を決めておく、ということはできませんでした。今であれば、自分で判断できなくなった時に、自分の財産の管理や身の回りの世話を誰に頼むのか決めておくことができます。任意後見契約といいます。契約書の作成は色々と細かいこともあり面倒ですが、後見人を決めておけば安心なこともあります。

電話をして来たことを忘れた友人の事を考えながら、あれこれ思い出しました。


3回目の訪問でようやく天辺がチラリと見えた岩木山!